2021年10月26日 17:00
「素晴らしい曲が鳴っている時、誰もあなたに手を出すことはできない」映画『ビルド・ア・ガール』が描く音楽の魅力
(C)MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
公開中の映画『ビルド・ア・ガール』は1990年代初頭のイギリスを舞台に、ひとりの女性が音楽ジャーナリストになって自身の未来を切り開いていくドラマが描かれるが、原作と脚本を手がけたキャトリン・モランは「音楽やカルチャーは私たちに力を与えてくれる。頭の中で素晴らしい曲が鳴っている時、誰もあなたに手を出すことはできない」と語る。90年代のUKロックに詳しくなくても本作の熱が観客に伝わってくるのはなぜか? モランの発言を見てみよう。
本作の主人公は英国郊外で暮らす高校生ジョアンナ。『アニー』の音楽を愛し、図書館で妄想にふけったりしながら郊外の街で冴えない日々を送っている。しかし、家は貧しく、ミュージシャンで成功する夢を諦められない父も頼りにならない。そこで彼女は自身の表現欲求を満たし、成功も手にするべく大手音楽雑誌のライター募集に応募。都会に出て、華やかな音楽の世界に足を踏み入れる。
映画はかつて英国の音楽雑誌メロディ・メイカーでロック評論家として活動していたキャトリン・モランの半生に基づいた内容だ。