Tempalayが探索船『武道艦』で惑星Xを目指す 初の武道館公演オフィシャルレポート
も実にTempalayらしい一曲だ。
武道館の中をゆっくりと動くサーチライトが「惑星探索」というコンセプトを思い起こさせた幕間を挟んで、「脱衣麻雀」から続けて演奏された「シンゴ」では、リアルタイム生成AIを用いて、楽曲のモチーフになっている『わたしは真悟』の作者・楳図かずおを思わせるイラストとメンバーの表情が融合した映像が映し出される。さらには「EDEN」、「GHOST WORLD」と続け、中盤の楽曲は多彩なグルーヴが非常に印象的。10年という歴史の中で徐々にサポートメンバーを増やし、現在の6人(この日のAAAMYYY不在時は7人)はバンドが内包する多様な音楽性をライブでアウトプットする上での最適解を見つけたようであり、武道館の広い空間を完全に掌握しているように感じられた。
ここでermhoiと和久井と入れ替わる形でAAAMYYYがステージに戻り、メンバー(やその家族)を紹介して、「ここからは撮影自由です」と告げられると、AAAMYYYの歌から始まる「預言者」では一斉にスマホが掲げられる。すると、その光景を預言していたかのように、スクリーンには無数のスマホで撮影されたような断片的な映像が映し出され、こうしたメディアアート的な試みも実に楽しい。