5時間の一大エンターテインメント! 田中俊介・須賀健太・坂口涼太郎が誘う“江戸のテーマパーク” 木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』
でも振袖姿で盗みを働くなんて、賢いですよね(笑)。その声色、身体、振る舞いがコロコロ変わっていくのも面白い。現代劇での女形を、しっかり模索していきたいです。
──黙阿弥といえば七五調の美しい台詞が魅力ですが、木ノ下歌舞伎版の台詞についてはいかがですか。
田中普通に喋っていたのが、急に古語の喋り方になり、と思ったらまた現代語に戻って──そのリズムは、これまで感じたことのない心地良さですね。キノカブ初体験の方はかなり驚かれると思いますが、それを面白がっていただけたら!体験したことのない感覚ですから、多分、5時間があっという間に過ぎていくと思います。
坂口黙阿弥のあの七五調のリズムが、現代語の気持ちのいいリズムに移されたという感覚です。歌舞伎でわかりにくいところがあったという人も、木ノ下歌舞伎を観たら、「あんなことを言っていたんだ」とわかってくると思います。
──上演時間は5時間。木ノ下さんは「体感で1時間半くらいのつもりで作ります」とおっしゃっていましたが……。
坂口2015年に木ノ下歌舞伎の『三人吉三』を観ているのですが、あっという間なんです!“江戸のテーマパーク”に1日いて、身体ごともっていかれたような感覚。