5時間の一大エンターテインメント! 田中俊介・須賀健太・坂口涼太郎が誘う“江戸のテーマパーク” 木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』
5時間、ごっそりもっていかれて、劇場を出て現代の風景を目にすると、「あれ?タイムスリップしたかも?」といった感じになるのがとても面白い。須賀稽古を重ねていく中で、群像劇としての部分がどんどん立ってきたのですが、主軸となる3人のほかにもいろんな人の物語が動いていて、百両と失われた名刀・庚申丸の行方もからんでくる。そんな5時間──いまの僕はヒヤヒヤなのですが(笑)、「あっという間」を目指したいです。
この世界の生きづらさ、苦しさを抱えた3人
──稽古場での木ノ下さん、杉原さんについても教えてください。
田中邦生さんは役者ファーストで考えてくださる方。こんなことは経験したことがないのですが、我々のこの稽古場では、一段落つくと絶対に拍手が起こるんです。木ノ下さんも邦生さんも、他の演者の方々も、「よくやった!」と、まずは一旦、褒めてくださる。そこから「こうやってみよう」と提示してくださるので、必要以上のストレスを感じることがありません。
須賀古典が好きで、歌舞伎が好きで、それにもかかわらず、僕らがそれを現代化していくのを楽しんで見てくださるなんて、本当にすごいこと。それだけ愛が深いんだなと感じます。