「北アルプス国際芸術祭2024」11月4日まで開催中 10月12日からは「マームとジプシー」の野外公演「equal」の上演も
種籾(たねもみ)、草木染め籾殻(もみがら)、白樺、花豆、小松菜種など、253種もの自然の素材を整然と並べ、「泉小太郎伝説」など大町に伝わるさまざまな民話やこの地の暮らしをモチーフに美しいレリーフで表現した。素材は半分以上が地元の人から提供を受けたもので、展示終了後、希望者に種を配布する予定だという。
蠣崎誓《種の民話ーたねのみんわー》
レリーフに使用された素材そのものも展示されている
■ダムエリア
大町市は黒部ダムへの玄関口としても知られ、さらに北アルプスの麓に大町、七倉、高瀬という3つのダムを擁する。磯辺行久は2021年に続き、石や岩石を積み上げたロックフィルダムとして知られる七倉ダムでインスタレーションを展開。《北北西に進路を取れ》と題した今回の作品は、綿密なリサーチによりダムができる前の高瀬川の流れを吹き流しを並べて表現。さらに円形に積み上げた石でコンパスを描き、軸としての北北西の方角を示した。自然や地形、水の流れの変化が、七倉ダムのダイナミックな景観にオーバーラップする壮大なランド・アートだ。
磯辺行久《北北西に進路を取れ》
■源流エリア
北アルプスの豊富な雪解け水をたたえる鹿島川流域。