2023年9月4日 17:00
新たな『ロミオとジュリエット』像を 高杉真宙、藤野涼子らキャスト6人が語る!
でもいままで映像のお仕事が多かった分、「お客さんの前で演じる」ことの楽しさを見出してからは、不安がワクワクに変わったんですよね。
佐伯わかる。僕も最初はシェイクスピアを「難しそうだな」と感じてた。でも30代になってセリフに触れた時、「意外と難しくないじゃん」と感じて。というのも、僕ら現代人が伝える「好きだよ」の4文字が、普段使わない言葉や長ゼリフで表現されているだけなんですよね。それに気づいてから楽しみに変わりました。
形に残らないからこそ生じる、長ゼリフの必然性
──本作への出演が決まる前、シェイクスピアに対して抱いていたイメージは稽古を経てどう変化しましたか?
高杉ロミオとジュリエットが出会って、さまざまなすれ違いの結果、ふたりを分つ「死」という悲劇の別れが訪れる。これだけの言葉にしたら簡単ですが、そうした筋運びにシェイクスピアの素晴らしさがあるわけじゃない、というのが今回改めて実感したことかもしれません。
佐伯じゃあ高杉くんは何がシェイクスピア作品の魅力だと思ってるの?
高杉言葉遊びひとつ取っても。すごくキレイなところ……ですね。対して現代は言葉の重みが無くなっているよね、という話を昨日も稽古場でしていて。