2023年11月4日 12:00
歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」 顔見世にふさわしく賑々しい舞台が開幕
十六年が経ち、亜照楽多(あでぃらた/河原崎権十郎)と羅陀(らーだー/市村萬次郎)夫婦に育てられた迦楼奈は天性の弓の才能を秘めた青年へと成長を遂げるが、ある日、太陽神から人間界の救世主であるとのお告げを受けると、弓の修業のために家を出る決断をし、旅立つのだった。
王が亡くなったばかりの王宮では、王妃である汲手姫の前に百合守良(ゆりしゅら/坂東亀蔵)、風韋摩(びーま/中村萬太郎)、阿龍樹雷(あるじゅら/中村隼人)、納倉(なくら/中村鷹之資)、沙羽出葉(さはでば/上村吉太朗)の五王子が並ぶ。五王子の名乗りの台詞は歌舞伎らしさに溢れ、王子たちとその従兄弟である鶴妖朶王女(づるようだおうじょ/中村芝のぶ)と道不奢早無王子(どうふしゃさなおうじ/市川猿弥)姉弟による王位継承争いが勃発すると、仙人久理修那(くりしゅな/中村錦之助)の助言により王位を競う武芸大会が開かれることに。都へやってきた迦楼奈もその武芸大会に出場し阿龍樹雷と対峙するが、鶴妖朶は自らが国を治めるべく迦楼奈を仲間に引き入れる。憎しみに駆られ五王子を亡き者にしたい鶴妖朶と、永遠の友と誓った約束を貫く迦楼奈。ふたりの関係は果たして……。