くらし情報『歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」 顔見世にふさわしく賑々しい舞台が開幕』

2023年11月4日 12:00

歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」 顔見世にふさわしく賑々しい舞台が開幕

と下の句を残し去っていく。その後の物語に大きな役割を果たす意味深な付句に、緊張した空気が漂う。そして翌日、大名・松浦鎮信(片岡仁左衛門)の屋敷では、其角を招き句会が催されているが、松浦侯は源吾の妹で腰元のお縫(中村米吉)の姿を見て苛立ち、其角から前日の源吾の話を聞くと、赤穂には忠義に篤い浪士がいないのかとさらに苛立ちが増す。するとそこへ、隣の吉良邸から陣太鼓の音が……。

ひとつふたつと指折り数える松浦侯は赤穂浪士による討入りを覚る。その松浦侯の姿は本作最大の見所で、観客も心高鳴る様子で熱い視線を注ぐのだが、大名の風格と教養そして喜怒哀楽を自在に現し愛嬌を備える松浦侯は、忠義を重んじる武士の精神を持っている。「忠臣蔵」外伝の人気作を、2002年以来21年ぶりに歌舞伎座で演じる仁左衛門の姿に拍手が鳴り止まなかった。

続いては、義太夫狂言の傑作『鎌倉三代記』。


今回の上演では、中村時蔵と梅枝の親子が三浦之助義村と時姫をそれぞれ初役で勤めることが話題。中村芝翫が3度目となる佐々木高綱を勤める本作は、大坂夏の陣をモデルとして、三浦之助義村は木村重成、時姫は千姫、佐々木高綱は真田幸村であるとされ、鎌倉時代に舞台は置き換えられている。

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