くらし情報『歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」 顔見世にふさわしく賑々しい舞台が開幕』

2023年11月4日 12:00

歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」 顔見世にふさわしく賑々しい舞台が開幕

また、迦楼奈と阿龍樹雷は、それぞれ葛藤しながらも自らの使命を受け入れていく。菊之助と隼人のふたりは初演でも話題となった客席を貫く両花道を走る馬車に乗ると、激しい立廻りを見せ、客席もヒートアップ。汲手姫という同じ母親を持つふたりの運命がぶつかり合う場面に拍手が止まない。

戦乱の場面では、迦楼奈を演じる菊之助と、我斗風鬼写を演じる丑之助が親子で立廻りを見せると、観客からは大きな拍手が送られ、丑之助はハッキリとした口跡で重要なセリフを聞かせた。両花道を使った効果的な演出をはじめ、屏風を模した大道具、甲冑の衣裳デザインなど視覚的な楽しさから、歌舞伎座の空間に響き渡る国際色豊かな音楽、次々に繰り広げられる怒涛の展開は時が経つのを忘れてしまうほど。溢れんばかりの躍動感と哲学的な問いの余韻を残し、客席は大きな拍手で満たされた。

仁左衛門の松浦候に鳴り止まない拍手

夜の部は、秀山十種の内『松浦の太鼓』で幕開き。
元禄十五年、師走の両国橋。
俳人の宝井其角(中村歌六)は、笹売りに身をやつした赤穂浪士の大高源吾(尾上松緑)に出合う。其角の俳諧の弟子でもある源吾は、其角の詠んだ上の句に「明日待たるゝその宝船」

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