くらし情報『巨悪相手に戦う雪姫たち。 桜満開の金閣寺を舞台に奇跡が起こる。【團菊祭五月大歌舞伎 第一部観劇レポート】』

2022年5月10日 18:00

巨悪相手に戦う雪姫たち。 桜満開の金閣寺を舞台に奇跡が起こる。【團菊祭五月大歌舞伎 第一部観劇レポート】

縄から解き放たれて花道を引っ込むときに、ちらっと刀を鞘から出し顔を映し、髪に手をやるところでフッと雪姫の色気がこぼれる。客席のあちこちから「うんうん」「わかるわかる」という反応が。

大膳に対するヒーローとなるのが片岡愛之助勤める此下東吉。颯爽としてかつ知恵に富み、ただ者ではない感がにじみ出ている。後半再び現れるときの陣羽織に鎧鉢巻姿も凛々しくて眼福眼福。

そして中村福助の慶寿院尼は、気高く品があり、舞台復帰した直後よりもさらに声が透き通るように伸びやかで、お元気そうなのが嬉しくてたまらない。

第一部のもう一幕は長唄舞踊の『あやめ浴衣』。祭囃子が聞こえ、真っ暗な舞台にチョンと柝が入ったとたんにパッと明るくなると舞台一面菖蒲の花咲く川のほとり。
客席からも「ほ~っ」と声が上がる。川遊びに興じる芸者や若い男女、水売りや船頭たち。五月人形は鎧武者もいいけれど、こんな涼やかで粋な顔ぶれのお飾りもいいなあなんて思ってしまった。

粋ですっきりとした芸者は中村魁春。柳に燕の柄が目にも涼しい。以前魁春が勤めた義太夫狂言の『卅三間堂棟由来』の風情のある柳の精・お柳を思い出した。

最後は揃って総踊り。

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