『ほんとうのハウンド警部』山崎一×吉原光夫×鈴木浩介インタビュー
――怖くなった?
吉原情報が多くなったんですよね。旧訳は読み物として面白い感覚だったんですけど、新訳は、自分で頑張らないといけない本だなと思いました。
――面白さはどういう部分に感じられましたか?
吉原最初のト書きで、舞台設定の説明があって、そこから順番に状況説明が足されていって、そこにムーン(生田)が浮き出てくる――これをちゃんと見せられていれば大丈夫だろうということが書いてあって「ストッパード、おいっ!」って思いましたね(笑)。もうその最初の部分からゾクゾクしました。
――山崎さんは最初に戯曲を読まれた時の印象は?
山崎「難しい」という感じがあったんですけど、あ、これは不条理のコメディだなという印象で、別役(実)さんの作品のようなイメージを持ちましたね。こういう芝居があるんですよね、別役さんの作品にも。
――山崎さんは、劇中で上演される芝居の登場人物であるマグナスを演じられますが……。山崎難しさはもちろん感じましたね。
光夫から最初に「山崎さん、これどうやって演じられるんですか?」って言われたシーンがあるんだけど「俺もわかんないよ」って(苦笑)。面白い本ですね。ただ一番難しいのは(吉原を指して)