2023年5月10日 17:00
日々の憤りも感傷も味わい深く痛快に昇華された新作『PINEAPPLE』をリリース 斉藤和義インタビュー
やっぱ自分のひとりの声だと広がりに限界があるし、違う人の声を重ねるとコーラスにも厚みが出てくるんです。
――そうなんですね。ユーモラスな感じもありつつ、風刺的で反戦メッセージみたいなものも込められてるのかなと。
うん、そういうのもあると思いますね。拳上げてどうこうっていうつもりもないですけど、ああいう感じで面白おかしく言いたいなっていうのはありますかね。
――今作は全13曲中半分以上、ほとんどひとりで多重録音されていますね。
そうですね、13曲中10曲ぐらい、基本はひとり多重録音で録ってます。この3、4年の間に自分専用の作業場みたいのがやっとできまして。
自分がパソコンのソフトで録音すれば、ほぼCDクオリティで録れちゃうぐらいの場所を作るのがずっと夢だったんです。そこにドラムとか、ピアノとか楽器もマイキングも全部セッティングしてるので、空いた時間にちょこちょこ通っては録ってみたりしてて。そのテイクがレコーディングにそのまんま使える感じにもなってきてるので、プライベートスタジオでベーシックなことは大体録っちゃうことが多くて。その後、足りないものはダビングしたり、ミックスも別のレコーディングスタジオでやるんですけどね。