2021年11月19日 17:00
ー炎のコバケンー 巨匠・小林研一郎が、最後のベートーヴェン全曲連続演奏に臨む!
「81歳を超えて肉体的に限度。情熱の炎は脈々と燃え、尽きることはないけれど、最後の全曲演奏に挑みます」と語るのは「炎のコバケン」こと指揮者・小林研一郎。過去14年間に13回指揮してきた毎年大晦日恒例「ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会」を、今年を最後に勇退することを発表。報道陣を自ら招いて都内で会見を開いた(11月17日)。
小林研一郎
小林全曲を演奏していると、ベートーヴェンが降臨するような気がする。不思議なことに、こうしようと準備していたのとまったく別のアイディアが浮かんで、この行間はこういう宇宙なんだよと、ベートーヴェンがささやいてくる。その声が80歳過ぎまで階段をひとつひとつ必死に昇ってきて見えた景色を、また新たなものにしてくれる。
2003年の大晦日に始まった「ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会」は、ベートーヴェンの交響曲全9曲を1日で連続演奏するという破天荒な企画。演奏時間だけで7時間超。午後に第1番からスタートするマラソン・コンサートは、大小の休憩を挟んで、終演を迎えるのは、もう新年のカウントダウンが始まる頃だ(始めの数回は開始時間が現在より1時間遅く、年越しコンサートだった)。