新キャストに新曲、新たな設定。皆が等しく楽しめる“モダン・ミリー2024”開幕
が切り盛りしていて、入居するには女優でなくてはならなかったが、ミリーはホテルにやってきた下層の生活に憧れる上流階級のミス・ドロシー・ブラウン(夢咲ねね)と意気投合し、彼女の助けでホテルに住めることになった。
初演からミアーズを演じている一路は、ほぼ新しくなった今回のキャラクターでも怪演が光る。新キャストの夢咲は、世間知らずのお嬢様役がぴったりで、「初めて出会ったの、貧乏人に」という台詞も嫌味がない。ホテルで働く香港からの不法移民、バン・フー(安倍康律)とチン・ホー(大山真志)の兄弟はほぼ台詞が広東語で、字幕付きの掛け合いが面白い。
住むところが決まったミリーは、いよいよ仕事と結婚相手を探すため、保険会社に面接に行き、ハンサムで独身の理想的なボス、トレヴァー・グレイドン(廣瀬友祐)に出会う。彼の出す厳しい要求をクリアしてタイピストの職を得たミリーは、グレイドンに猛アプローチをかけるが、彼はまったく気づかない。
出色なのが、タイプを打つ音を椅子に座りながらタップで聴かせるシーンで、朝夏によると、再演ではタップを踏む回数が増えてさらに難しくなったらしい。グレイドン役を初演から続投している廣瀬は、カッコよく大真面目に演じれば演じるほど笑いが起きるこの役を、すっかり自分のものとして楽しんでいるようだ。