2023年4月19日 08:00
横浜流星と藤井道人が不寛容社会に見る救い「信じられる人と一緒にいられればいい」
うれしいんだけど、うまく笑えない。なぜなら、優は笑ったことがないから。そういうバックボーンをテイクごとに差し込みながら、徐々に複雑さや解像度を増していきました。
――そういったディレクションは、もともと監督の頭の中にある正解に俳優の芝居を近づけていくイメージなのか。あるいは俳優の芝居を見て、さらに監督の中でヴィジョンが膨らんでいくイメージなのか、どちらでしょう。
藤井そのシーンに関しては「これがほしい」という明確なものがありましたね。もちろん一発目にやってくださるのは役者なんで、これが一発目に出るんだったら、さらにこれがあった方がいいかもと欲張りしちゃうこともよくあります。というか、もう毎カット欲張っております(笑)。
――横浜さんはそういったテイクを重ねて芝居を高めていくとき、間にインターバルを置くタイプですか。それとも、とにかくどんどん撮影していく中で、自分の中の感情を積み上げていくタイプですか。
横浜僕は積み上げていくタイプです。というか、一度冷却しちゃうとダメになりそうで。
藤井そんな時間も与えないしね(笑)。
横浜そうそう。そもそも与えてくれないですし(笑)。
藤井僕が流星と話をして、ベースに戻ろうとしたぐらいに、「監督戻られたら行きまーす」