2022年5月13日 18:00
『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策』、開催中 シリーズ第3弾では写真と絵画との関係を考察する
柴田や鈴木がセザンヌに影響されつつも、両者が全く異なる表現に至っている点は非常に興味深い。
左:柴田敏雄《高知県土佐郡大川村》2007年 作家蔵中:ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904-06々頃 アーティゾン美術館蔵右:鈴木理策《サンサシオン 09,C-58》2009年 作家蔵
セクションIV「柴田敏雄──ディメンション、フォルムとイマジネーション」では、カンディンスキーが面を意識して描いた風景画や、大胆なフォルムで知られる空海の仏像を、柴田はダムの躯体や法面など、強調したフォルムや幾何学的なモチーフに着目した作品を並べている。
左:柴田敏雄《栃木県那須塩原市》2020年 作家蔵右:ヴァシリー・カンディンスキー《3本の菩提樹》1908年 アーティゾン美術館蔵
中央:円空 仏像 江戸時代(17世紀) アーティゾン美術館蔵
柴田敏雄《東京都西多摩郡檜原村》1994年 作家蔵
セクションV「鈴木理策──絵画を生きたものにすること/交わらない視線」は、見ること、見られることの関係性に着目する。マネ《自画像》と鈴木の連作《Mirror Portrait》が並んだ空間、そしてジャコメッティの作品と、鈴木が撮影した作品写真、そして鏡が並ぶ空間は、それぞれ「見る/見られる」