「フランス・オペラの優美さを伝えたい」バンジャマン・ベルナイムインタビュー
「フランス・オペラの優美さ、フランス語の美しさを聴衆に伝えたい」
「フランス・オペラのスタイルは歌手によって違うが、大切なことはフランス語がわからない観客にもその魅力、言葉の美しさを伝えるということ」
とにかく言葉、とりわけ歌詞に対する並々ならぬ意欲が言葉のはしばしにあふれてくる。
『ロメオとジュリエット』より(photo:Vincent Pontet-OnP)
「フランス・オペラを歌う際に特に意識していることは?」という質問に対しては「どんな言語のオペラでも、すべては歌詞からはじまる。例えば『ホフマン物語』。作曲したオッフェンバックはドイツ生まれのフランス人、テキストはE.T.Aホフマンによるもの。『ウェルテル』の原作はゲーテ。そしてシェイクスピアの『ロメオとジュリエット』など、テキストは伝えるべき物語をもっている。僕にとって一番重要なのは、音楽や音色を超え、「物語」を伝えること。大切なのは歌詞、いつだって『言葉』、『言葉』、『言葉』!言いたいのは、僕は歌詞と物語を中心にすえ、観客と言葉・歌詞を通して、オペラの物語に誘い、一緒に旅することを望んでいるんだ」と、『ハムレット』のセリフを引用しながら熱く語る様はそれだけでまるでオペラの一場面のようだ。