「フランス・オペラの優美さを伝えたい」バンジャマン・ベルナイムインタビュー
『マノン』より(photo:Eric Bouloumiee_OnB)
そんな知性あふれるベルナイムに、今回歌うプログラムのポイントを尋ねてみるとーー。「僕にとっては毎回異なるプログラムにすることが重要。東京では2回ステージがあり会場も異なる。それぞれ違う曲を入れることでどのステージも特別なものだと観客に感じてほしい。今回チャイコフスキー、ヴェルディ、プッチーニ、そしてフランス・オペラからのアリアを選んだのは僕の声に合っていて、かつ僕の声で物語を伝えるのに最適な作品だからなんだ。僕が舞台でアリアを歌う時、観客をロマン主義の旅に誘いたいと思っている。今回の選曲はどれもロマンティックかつ叙情的で、若いヒーローたちが自身の物語を語っているんだ」
それらレパートリーの中で特に重要な作品は?という質問には「それはとても難しい質問だね。例えば『マノン』、『ウェルテル』、『ホフマン物語』、『ロメオとジュリエット』から1作品選んでと言われても僕には選べない」ときっぱり。
その理由を尋ねると「僕は世界にフランスの作品を伝えていくこと、フランス・オペラの歌唱スタイルを「輸出」することが僕の義務だと思っている。