三浦宏規、「刺激的な1年」の最後に挑むフレンチロックミュージカル『赤と黒』。自由な稽古場でつくりあげる美青年・ジュリアンとは?
原作だと彼の動機は不純なところがあったりしますが、今回ジェイミーと作っているジュリアンはすごくピュアです。もちろん成りあがっていきたい思いや、富裕層に対する反骨心なども強く持っているのですが、実際はそれまでの人生でほとんど女性と向き合う経験がなかったので、いざ女性とふたりきりになった時に何していいかわからない……みたいな奥手さもあって、甘酸っぱいんですよ。一方でひとりになったら熱い思いを歌に乗せて雄弁に語る。二面性があるなと感じています。危険な一面がありながらも、ピュアボーイです(笑)。
『レ・ミゼラブル』の学生たちとも通じるし、今見てもグサっと刺さる
――ジェイミーさんの演出で面白いなと思ったところは。
思ったよりコミカルです。風刺的なシーンもあるし、クスっと笑えるシーンもある。ストーリーとしては悲劇なので、笑いどころがあればあるほど、悲劇がひきたつとジェイミーが言っていて、本当にそうだよなと思いました。あと、結末が原作とちょっと違っていて……いや、骨子は変わらないのですが、そこに至るまでのやりとり、ジュリアンの葛藤といった部分が少し違って、それが僕はすごくリアルで、その演出がついたときに、とても演じやすくなったんです。