2023年12月4日 07:00
三浦宏規、「刺激的な1年」の最後に挑むフレンチロックミュージカル『赤と黒』。自由な稽古場でつくりあげる美青年・ジュリアンとは?
面白いなと思いました。
――スタンダールの原作では貧富の格差といったことも主軸にありますが、ミュージカル版としては恋愛や人間関係がメインですか?
いえ、色々な面があり、人間の愛と欲望というものと同時に、もちろん格差社会の中で成りあがっていくジュリアンという人物を通して、社会への提言といった面も描かれています。すごく難しいなと思うんです。『赤と黒』の見どころはどこですかとよく聞かれるのですが、そういったメッセージ性もあれば、音楽はフレンチロックでカッコいいし、その音楽をまず前面に押し出す演出も斬新だし、ダンスシーンもすごい。あとは観る方がご自由に受け取ってください、でいいとは思います。
――三浦さんも出演した『レ・ミゼラブル』と時代背景はほぼ同じ。
そうですね。そういう意味では『レ・ミゼラブル』の学生たち……情熱を持ち、変革を求め、でも何も成就できず死んでいくというのは、重なるところはあるかも。
でもこれはどの時代でもどの国でも変わらずある話だと思うんです。今、日本でも貧富の差はどんどん広がっているし。スタンダールはここまで普遍的な話になると思わずに書いたんじゃないかな、と思うくらい、今見てもグサっと刺さる話です。