「演劇を観て、人を好きになってほしい」朝夏まなと×ノゾエ征爾 舞台『ロボット』で初タッグ
「無駄に感じることを、人間はしないではいられない」といった台詞が出てきますけど、今やるべきことに追われている現代人は、人間らしい感覚を忘れがちになっているかもしれないな、なんて考えます。例えば、花を愛でて美しいと思う、ゆったりした心とか。私が観客としてこの作品を見たら、そうした“人間だからこそ”の部分を大事にしたいと思うだろうな……と思いました。
――孤島にある工場の物語で、舞台空間をどのように作るのか、気になります。
ノゾエ舞台空間に関して……ひとつ、起きましたよね(笑)。
朝夏はい。私には初めての出来事で、びっくりしました(笑)。
ノゾエほぼ確定していた舞台セットがあったんですけど、稽古初日に本読みをしてみて「あ、違った」と思ってしまって。それでガラッと大きく変更しました。物語が十二分に強いし、俳優の体も、言葉も強い。そこから話が十分立って来ると考えた時に、空間がそれを制約するようなことにはしたくないなと。
それで演劇的な自由度の高い、抽象的な空間に変えました。
朝夏模型を見せていただいて、すごい!と。ノゾエさんの説明を聞いた時に、皆さんからハア〜ッと声が漏れるくらい、驚きがありましたよね。