2023年6月9日 17:00
広瀬すずが語る、役柄との向き合い方。「私は直感的なものしか信じていないタイプ」
──耐久力のある人ですよね。10年前の怒りを、温存してこれたわけですから。
広瀬そうなんです。榊さんは、変人にもなっていないし。
──変人になってしまってもいいですよね。屈折して、こじれて。その可能性もあったはずなのに。何にも動じない、が極端に突き進めば、変人にもなり得るキャラクターです。
広瀬感情の吐き方もベースが崩れてないというか。そこが演じていて面白かったですね。
──当初、軽く緊張状態でもあった榊さんと直達の関係が、猫を通して、ふいにほどける短いシーンがありますよね。まず、あのときの広瀬さんのお芝居がとてもよかった。そうだよね、榊さんってほんとはこんな人なんだよね、と素直に納得できたんです。おそらく、ああいう要素も広瀬さんが、あのシーンまでに積み上げてきていたからだと思います。自分も含めてみんな、こういうところ、あるよなって。
広瀬甘えられるって楽ですからね(笑)。
でも、あのシーン、最初は、どうやってやろうかな……と思っていました。動物に罪はない、そういう思考なのかなと(笑)。
動物には別に(本当の)自分を見せても、なんの返事も返ってこないから楽だ。案外、意外といけるかも。