2023年3月10日 18:00
『Grasshopper vol.10』バンドの物語を紡ぐ一夜 Blue Mash×ジュウ<ライブレポート>
そして間髪入れずに『2002』が始まり、興奮のあまり観客が飛び跳ねる。「このデカい音が聞こえるか!!」という優斗の煽りにフロアは熱狂し、前のめりになる気持ちが観客の身体にダイレクトに溢れ出した。
軽く挨拶した後、「俺の地元の歌を1曲やります」と言って始めたのは『京阪電車』。オレンジの照明の下、耳に優しく気持ち良い音と歌声によるバラードで、温かい気持ちにさせてくれた。続く『春のまま』は勢いのあるバンドサウンドと感情剥き出しの歌声が噛み合う演奏だ。同様に『東京ラストティーン』でも、声がひっくり返ってしまうほど感情的に、目の前の観客へと訴えかけるように歌った。
優斗は次の曲を始める前に彼らのストーリーを赤裸々に語った。何度もやめたいと思ったこと、でもやっぱり歌いたいこと、目の前の観客のために精一杯歌うこと。この日の彼らのライブも、数えきれない苦難の積み重ねの上にある。「青春は多分一瞬、だからBlue Mashという名前を付けた。駆け抜けろ海岸線!!」と彼は叫んだ。見ている人の感情を巻き込みながら、バンドのストーリーを伝える『海岸線』。青く照らされるステージで繰り広げられる彼らの青春を目に焼き付ける。