『ドロステのはてで僕ら』土佐和成×朝倉あき、特別対談 「何度見ても面白い発見がある作品」
サブテキストがある作品は初めてでした。でも逆に、図解を見ると混乱してしまったんですよ(笑)
土佐:わかる!(笑)台本を読んでわかったつもりになって、サブテキストを見たら、あれ?って混乱してしまうので、僕は、サブテキストは参考にとどめました。
朝倉:土佐さんもそうで良かった(笑)。私も科学的な理論のことは真っ先に考えることを放棄しまして(笑)。一視聴者として台本を読み進めていったら、脚本が面白くて、自然と理論も頭に入ってきたんです。
土佐:僕らは台本を確実に演じればいいんですよね。でもモニターの中の2分後の未来の自分と、それを見ている今の自分、さらに過去の自分をカメラ長回しで撮影する場面は緊張しました。モニターのなかの自分と自然に会話しないといけなくて、映像のなかの僕のセリフにちょっとでもぶつかったらNGですから。
また、すべての動きを2分でやるという縛りもあって、上田さん自らタイムキーパーをやって、「そこは絶対に2分やな」とこだわっていた。完成するまでは、あの2分の大切さを僕はそこまでわかってなかったんですよね。
朝倉:厳密に2分じゃなくてもいいんじゃないかなと思いますよね。でも、出来上がったものを見たら2分縛りが効いてました。