『ドロステのはてで僕ら』土佐和成×朝倉あき、特別対談 「何度見ても面白い発見がある作品」
決められた枠のなかに生の芝居が合わさったときにどうなるか、上田さんは見たかったんだなぁとできたものを見てわかりました。上田さんは、「高校野球みたいな気持ちでした」とおっしゃってましたね。ほんとうに皆さん、一丸となっていました。私はヨーロッパ企画の作品に初めて参加しましたが、息がぴったり合っているし、こんなに大変なことを淡々と「OK、OK」とスムースに進めていてかっこいいなあと思いました。
土佐:いや、実はみんな、内心は、すごいことに挑んでいるって大興奮していたと思いますよ(笑)。
朝倉:カメラとマイクと俳優が一体になってワンカメで撮るとき、そこに小道具を仕込むスタッフもいて、忍者のように動き回ってましたね。大変でしたが楽しかったです。
土佐:かなりスポーティーに動き回るシーンがありました。
なかなかタイミングが合わず22テイクぐらい撮ったことも。途中でどうしていいかわからなくなって山口淳太監督の頭がショートして止まっちゃったんですよね(笑)。
ーーひとつのビルの1階、2階、5階を使って7日間で撮影されたそうですね。
土佐:ロケ場所のカフェは、ヨーロッパ企画の稽古場兼事務所の近くで、普段から使わせてもらっていて、朝倉さんが演じたメグミさんが働いている床屋さんも、上田が子供の頃から髪を切りに行っているところなんです。