原材料や道具のディスプレイから生まれるお客様との会話【aeru meguro】
型紙はすべて、職人さんが手で彫ったもの。作る工程を体感していただくことで、日本の伝統や職人さんの技や想いを伝えたいと考えています。
——伝統を伝えることが大切なのはなぜですか?
森さん:伝統とは、語り継がれてきたもの。暮らしと深く結びついて、先人たちが生みだしてきた智慧の蓄積です。でもそれが今、産業としては規模が小さくなりつつあります。魅力的な日本の宝物がたくさんあるのに、「知られていない」という理由で、失われつつあるのではないでしょうか。だから、次世代に伝えることが必要なのです。より多くの方にご興味をもっていただくために、店内には商品と並んで原材料や工程の写真や動画、職人さんが実際に使うお道具なども飾っています。
——例えば、どんなものがありますか?
森さん:例えば、藍の葉。『徳島県から本藍染の出産祝いセット』を生み出すときに使っているものです。職人さんは、この葉を用いて、化学原料を一切使わずに、自然の恵みだけで染めていらっしゃるのです。
また、こちらは職人さんからいただいてきた漆の木。このように傷をつけると、漆の樹液が出てきます。その樹液を用いて、漆器が生み出されているのです。