書籍電子化の「自炊」代行業者が国内初逮捕…個人でも実は違法な2つのポイントとは?
一冊だけでもそれなりの労力を使うものですから、これを膨大な量の本や雑誌について行おうとすると、かなりの手間と時間がかかってしまいます。
そこで登場したのが“自炊”の作業を本人に代わって行うとする業者で、これが「自炊代行業」と呼ばれるものです。
■「自炊」は違法なの?
「私的使用のための複製」(著作権法30条)にあたる限り、“自炊”は違法ではありません。
合法であるためのポイントは、
①私的使用目的で行うこと
②使用する者が自分で行うこと
この2点です。
つまり、自分で楽しむために自分で作業を行う限り、違法ではありません。一方、自炊代行業は、このうちの②が欠けますので、違法と判断されます(2016年に最高裁で確定しました)。
ただ、自炊代行業も一定のニーズがあるところで、これを違法と判断することは時代に合わないなどといった批判も根強く、“自炊”についての議論が終わったわけではないようです。
■今回のケースは何が問題だった?
報道によれば、今回逮捕された自炊代行業のケースは、“自炊”によって得られたデータを他人に転売などしていたという点が特徴です。