串カツ店の「ソースの二度づけ禁止」…違反したら退店しなければならない?
という風評が、他のお客さんの来店を遠ざけてしまうことになりかねません。
その場合、「ソースの二度づけ禁止」迷惑などの理由から、お店側は即刻契約を解除して、退店いただくことが可能になる可能性は高いと思います。
一方、ソースが個別のお客さんに提供されているような場合で、ソースを継ぎ足し使用していないお店の場合には、即刻飲食物供給契約を解除できるまでの重大な契約違反があるとは言いにくく、退店いただくことまでの必要性は認められにくいと思います。
なお、お客さんがお店から退店を指示されたにもかかわらず退店しない場合には、不退去罪(刑法130条)、態様によっては威力業務妨害罪(刑法234条)が成立する可能性があります。
単純そうですが、法的な解釈を元にすると少々複雑ですね。とはいえ、美味しい串カツを食べているのに、お店のルールを守らずに“カツ!”を入れられてしまっては、せっかくの楽しい時間も台無しです。お店とお客さんのそれぞれがルールを守ることが大事ですね。
*著者 大達 一賢(エジソン法律事務所。
第一東京弁護士会所属。「強い、やさしさ。」、「守る≒攻める」