くらし情報『【島根・女子大生殺害事件】死亡している被疑者を「書類送検」するのはどんな意味が?』

【島根・女子大生殺害事件】死亡している被疑者を「書類送検」するのはどんな意味が?

、逮捕しないで書類のみを送検する場合を「書類送検」と言います。

本件では、被疑者が既に死亡していますので、「身柄送検」はできません。また、微罪事件でもありませんので、書類のみを送検する「書類送検」を刑事訴訟法に基づいて行うということになります。

■不起訴処分が決まっていても被害者の損害賠償請求に「書類送検」は有用!

それでは、検察官は、書類送検された後にどのような処分を行うのでしょうか?

刑事訴訟法には、339条1項4号に、「被告人が死亡したときには、決定で公訴を棄却しなければならない」とされており、被告人が死亡している場合には、公判を維持できないことになっています。それとの関係で、検察官は、書類送検された事件については、必ず「不起訴処分」とすることになっています。

不起訴処分にするのであれば、書類送検する意味が無いのでは?と思われるかも知れませんが、捜査結果がキチンと残ることで、被害者による損害賠償請求(対保険会社、対遺族)の証拠ともなり得ますので、有用なことに間違いありません。 

*著者:弁護士 小野智彦(銀座ウィザード法律事務所。

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