以下同じ。)してはならない。”
しかし、家族や知人に1回処方薬を渡しただけで「業として」の「授与」に当たるというようなことはありません。もっとも、薬によっては麻薬及び向精神薬取締法に違反する可能性はありますし、医師法17条の「医師でないものは医業を行ってはならない」との規定に反すると解される可能性もあります。
また、渡した薬を飲んだ人にひどい副作用が生じてしまったり、本当はすぐに医者の診察を受けた方がよい状況なのに薬をもらったからいいやと思って受診の機会を逸し、症状を重篤化させてしまうなどのことも考えられますので(これらの場合、渡した側に民事上の不法行為責任が生じる可能性はあります)、安易な譲渡には危険が伴うと言わざるを得ません」(伊東弁護士)
処方薬を他人に譲渡する行為は「危険が伴う」ということを認識しなければなりませんね。
*取材協力弁護士:伊東亜矢子(三宅坂総合法律事務所所属。 医療機関からの相談や、 人事労務問題を中心とした企業からの相談、離婚・ 男女間のトラブルに関する相談、 子どもの人権にかかわる相談を中心に扱う。)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。