サッカーで接触相手が重傷で賠償命令…スポーツの事故で責任を負うのはどんな時?
故意または重過失により競技ルールを逸脱した行為により、他人を負傷させれば、違法性を肯定する大きな事情となります。
例えば、サッカーの試合でスパイクの裏で相手の膝に飛び掛かる、頭突きをするといった行為、ボクシングの試合でグローブに仕掛けをして相手を負傷させる行為などは、違法性が肯定される可能性が高いといえます。
野球では死球がルール上想定されていますが、故意のデッドボールまでは許されていないという解釈も可能でしょう。
また、相手が怪我をすることが容易に予見できる行為も、違法性を肯定されやすいでしょう。野球のデッドボールでいえば、故意の頭部への危険球は、当然違法性が肯定されやすくなります。故意の頭部への危険球は、プレーヤーが受け入れていた危険性を逸脱するものともいえます。
以上みてきたように、スポーツではある程度の接触や怪我はつきものですから、競技中の行為は、ルールを遵守したものである限り、基本的には違法性を肯定されることはありません。
しかし、ルールを逸脱したり、相手を負傷させてやろうとの故意のもと、危険な行為をした場合には、いくら競技中とはいえ、違法性が認定されることになります。