TV番組で犯罪の再現実験を放送…犯罪幇助には当たらない?
道具をどのように持ち、どのように玉を飛ばすのかを知らしめるだけの実験である。危険性のある道具の使い方を紹介する必要はない。
(BPO 放送倫理・番組向上機構 2016年12月の意見を引用)
■実際に犯罪に当たるのか?
たしかに、上記の意見には一理あります。だからといって、危険性のある道具の使い方を紹介すること自体が何らかの犯罪を構成するものではありません。
また、この番組を見た人が、同じような道具を使い、器物損壊などの犯罪を犯した場合、その犯罪の幇助犯となることもありません。幇助犯とは、実行犯の犯行を具体的に援助した場合に成立するもので、抽象的に援助したとしても、成立するものではありません。
例えば、犯罪に使うと知りながら道具を用意するとか、逃亡ルートを教えるなどの行為が幇助犯となりますが、パチンコを売っている店が実行犯と知らずに売ったような場合には、幇助犯とはなりません。
法律的には違法ではないとしても、放送倫理上問題となることはありえます。
ただ、倫理というのは非常に微妙なもので、あまり厳しく要求すると放送機関が萎縮することになりますので、そのさじ加減が難しいところです。