くらし情報『元の名字には戻れない?婚姻・離婚時の名字は法律でどのように規定されてる?』

元の名字には戻れない?婚姻・離婚時の名字は法律でどのように規定されてる?

民法767条2項には、「婚姻前の氏に復する」と規定されています。

結論をいえば、婚姻前の氏は「佐藤」でしたので、私の氏は「佐藤」になります。離婚後に「林」には戻れないのです。

■もし元々の氏を名乗りたければ?

もっとも、私が「佐藤」から「林」を名乗る方法が全くないわけではありません。例えば、林さんと婚姻すれば、新たに「林」と名乗れます。また、林さんの養子になれば「林」の氏になります。

しかしながら、婚姻するには別の林さんを見つけて良い仲にならねばなりませんし、年上の別の林さんを見つけて養子に入れてもらうのも一苦労です。

他には、氏の変更を家庭裁判所に許可を求めるという方法も用意されています。


家庭裁判所に許可してもらうには「やむを得ない事情」が必要です(戸籍法107条1項)。いずれにせよ、簡単には「林」に戻れません。

離婚の際、どちらの氏を使うのか、慎重に判断しないと後悔することになるかもしれませんね。

*著者 弁護士:林 正和(丸の内ソレイユ法律事務所の弁護士。全ての案件に対し、最善を尽くすため、広い視野を持ち、幅広い知見を得られるよう精進して参る所存です。)

【画像】イメージです

*Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)

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