従業員からの内部告発によって企業の不正や不祥事が明るみに出ることがありますが、原則として内部告発は実名で行うことになっているため、告発による不利益や報復をおそれてしまう方も多いかもしれません。
そこで、実際に内部告発をしたいと思った場合にはどうすればよいかについて、制度を含めて簡単にお伝えしたいと思います」(木川弁護士)
■公益通報者保護制度(内部通報者保護制度)の存在
「公益通報者保護法上の公益通報は、労働者が、不正目的ではなく、会社や役員・従業員等について生じている(まさに生じようとしている場合も含む)法令違反(コンプライアンス違反)行為を会社や外部に通報することです。
公益通報者保護法や裁判例上、通報した人に対して降格・異動・解雇等の不利益行為を行ってはならないとされており、企業内の不祥事を発見した従業員が通報しやすくなっています」(木川弁護士)
■実際に内部告発をするときはどうしたらよいか
「とはいえ、実際には不祥事が組織ぐるみで行われている場合などでは通報者に対する退職勧奨や不利益取扱いが行われてきたこともあります。
法律は当事者間で紛争になってから守ってくれるものですので、事実上、不利益な扱いを受けない保証はありません。