見解が分かれる放送法64条の「契約」規定…弁護士はどう見る?
これに関しては、賛否両論ありえるところですし、実際に放送を享受しないながらも対価を支払っている方も見受けられるのは事実ですし、拒絶が横行していることも事実でしょう。
契約の大原則は、申し込みの意思表示と承諾の意思表示が外形上合致していることが要求されます。
このように考えていきますと、放送法64条は、放送設備そのものの設置をもって、申し込みをした、承諾をしたことをいわば擬制したような形に至ります。
この状態は、極めて例外的なものといわざるをえません。
そうすると、合憲性を維持するには、支える実質的な理由が必要でしょう。
これには疑義が生じて当然と思われます。「見なければ払わなくていい」とは、これに疑問がある人がみなさん考えることでしょう。
実際には、視聴しているかどうかを検証する手段がないものでしょうから、これにどう向き合っていくかは、個人的には、疑わしいものと考えることは不自然ではないようにも考えられると思います」
転換点に来ている?
インターネットやCS有料放送の普及で、「テレビを設置しただけで支払対象」と定められた放送法は時代遅れとなっていると言わざるを得ません。