お姫様に目覚めた女の子へ。エロール・ル・カインの美しい絵本3選
眠ってしまうお姫様が美しいのはもちろんのこと、風景描写も見どころ。特にお城を取り囲むいばらは、実に細やかに描かれています。
「シンデレラまたは、小さなガラスのくつ」(訳/中川千尋)
誰もが知っている「シンデレラ」。でも、実は「シンデレラ」の類話は世界各国にあり、シャルル・ペローの「サンドリヨン、または小さなガラスの靴」や、グリムによる「灰かぶり姫」などが有名です。そして、このエロール・ル・カインの絵本は、ペローのお話をもとに描かれたもの。かぼちゃの馬車やガラスの靴が登場するくだりは、ペローの独創だったのだそう。そんなお馴染みのモチーフも、エロール・ル・カインは美しく描いて、子どもの想像力を掻き立ててくれます。
この絵本、モノクロのページもあるのですが、それもまた繊細さが際立っていて惚れ惚れさせられます。
おかあさんやおねえさんたちの、ちょっぴりユーモラスな表情も楽しい一冊です。
いかがでしたか? 字が多い絵本なので、対象年齢としては6歳くらいからだと思いますが、その絵の美しさには、幼児から大人まで魅了されるはずですよ。