増える子なし夫婦…子ありと子なしのメリット・デメリット
最近、「DINKS」という言葉をよく耳にしませんか?DINKSとはDouble Income No Kids(2収入、子どもなし)の略語で、意識的に子どもを作らない共働き夫婦のことです。最近はそんな「子なし夫婦」が増えているのをご存知でしょうか。
それでは実際、子どもがいない夫婦の割合はどのくらいなのか、また子どものいる人生といない人生はどう違うのか、子なし夫婦の老後などについてお話します。
子どものいない夫婦の割合は?
国立社会保障・人口問題研究所が2015年に発表した「第15回出生動向基本調査」のデータをもとに、子どものいない夫婦の割合を見ていきましょう。ちなみに、調査対象は結婚持続期間15~19年の初婚同士の夫婦となっています。
子どものいない夫婦が増えている
「調査別にみた、夫婦の出生子ども数分布の推移(結婚持続期間15~19年)」によると、1977年の調査では子どもがいない夫婦の割合は3%。それが、2015年の調査では6.2%となっています。子どものいない夫婦はだんだん増えてきているようです。
同調査によると、夫婦の出生子ども数の割合で最も多いのは2人で、半数以上となっています。これは1977年の調査から変わらないのですが、それ自体が当時と比べると低下しています。また、子どもの数が3人・4人以上の割合も低下しています。
増加しているのは、子ども数が0人と1人の割合です。0人は先ほどの子どもがいない夫婦のとおり。1人は1977年が11.0%だったのに対して2015年は18.6%になっています。子なし家庭と子ども1人家庭は、もしかしたらこれからもっと増えていくのかもしれません。
子どものいる人生のメリット・デメリット
子どものいる人生のメリット・デメリットをそれぞれまとめてみました。
メリット
- 子どもとかけがえのない時間を過ごせる
- 育児を通して自分たち夫婦も成長できる
- 子孫が残せる
- 老後も寂しくない
メリットは幸せを感じたり寂しくないなど、内面的なものが多いように思います。自分たちの親に孫を見せることもでき、親孝行にもなります。
デメリット
- 自分の時間・夫婦の時間がなくなる
- お金がかかる
- 仕事など自分の人生に影響がある
- 子育てという責任が常につきまとう
時間が無くなる・お金がなくなる・自由に働けなくなるなど、子どもと引き換えに失うものがデメリットになるかと思います。また、子どもを育てることは責任や負担も増加します。ママ友など人間関係のトラブルに悩むことも。
子どものいない人生のメリット・デメリット
それでは逆に子どものいない人生のメリットとデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
メリット
- 夫婦の時間を大切にできる
- お金を貯めやすい
- 趣味や仕事などやりたいことができ自由
- 子育てのリスクがない
子どもがいるとどうしても「子ども中心の生活」となってしまいますが、いない場合は夫婦だけのことを考えればよいので、自由な時間を過ごすことができます。
デメリット
- 親・親戚・友人への説明が面倒
- 毎日の生活が単調になりがち
- 子育てによる経験・成長ができない
- 老後の不安
結婚すると必ず聞かれる「子どもは?」という質問をされ続ける可能性が。
面倒ですし、理解されにくいために煩わしい思いをすることも。また、子どもがいるとさまざまなイベントがあるため夫婦の話題も事欠きませんが、いないと夫婦の生活のハリがなくなる恐れがあります。
また、メリット・デメリットに共通するのが「離婚しやすい」ということ。子どもがいると離婚の手続き等が大変ですし、離婚を辞めて仮面夫婦となってしまう恐れもあります。離婚しやすいことで、夫婦の関係をすぐに断ち切れるメリットと、絆が浅くなりがちなデメリットがあります。
子なし夫婦の老後は?
子どもがいない夫婦にとって気がかりなのが老後のことですよね。子どもがいると、子どもや孫を通じて交友関係も広がりますが、いない場合はやはり夫婦ふたりでの生活がメインになると思います。
老後で考えないといけないことは、たくさんあります。
例えばどちらかが「介護」となった場合、老々介護となってしまうため外部へ委託する必要があります。また片方が大病を患ったときに、病院へのお見舞いやケアなどもひとりで手配しなければいけません。またそういった不安な気持ちを共有する人が少ないため、一人で抱え込む可能性も。
どちらかが亡くなったときやお墓の管理、遺産相続なども話し合っておく必要があります。いざというときにひとりで困らないためにも、さまざまな外部サービスや頼る先の確保が必要です。
子なし夫婦の場合は子どもにかけるお金がない分、老後の資金は多く用意できている可能性が高いと思います。定年後は夫婦で旅行に行ったり趣味をしたりと、楽しみもたくさん用意されています。
ただし、生活費が足りなくなっても仕送りをしてくれる人がいないので、計画的に使うようにしましょう。
とにかく老後を楽しく暮らすためには「貯金」が大切だということですね。
未婚率も高くなっていますし、専業主婦が減少し共働き世帯が増加するなど、女性の社会進出をめぐって時代の変化が多くなっています。それだけ人の価値観は多様化しており、生き方も十人十色。
「結婚したら子どもを作るべき」「出生率を増加させるべき」などさまざまな意見もあるかもしれませんが、現在は子どもを産み育てるのが大変な時代です。子どもを持つ、持たないことのメリット・デメリットを考え、自分たちにあった家族の形が見つけられるとよいですね。
そして、子どもを作らないと考えたのなら、老後の貯えや準備はしっかり行っておきましょう。
出典:
DINKs
「第15回出生動向基本調査」