2024年2月9日 17:00
【医師&患者両視点から解説!】廣橋猛 著『緩和ケア医師ががん患者になってわかった 「生きる」ためのがんとの付き合い方』2024年2月15日刊行
検査室は静まり返り、私は驚きのあまり、言葉を失ってすぐに返答することができませんでした。
がん......治療はどうなる? 仕事はどうなる? 家族になんて言う?
次から次へと考えなければならないことが頭を駆け巡っていきます。
患者さんにはこのようにしたら よいというアドバイスが次から次へと思い浮かぶのに、自分のこととなると頭のなかは真っ白でなにも思いつきませんでした。
この日から私はがんと付き合っていくことになりました。
緩和ケア医師が自身のがん治療でわかったこととは?
ガリガリ君アイスに救われる
私自身が患者を体験したことでたくさんの気づきがありました。
例えば、私の場合、喉の奥の違和感や、ヒリヒリとしたイヤな感覚がずっと続いていました。
喉の炎症のせいか、痰(たん)が絡みやすいのが不快でした。
こういった症状、手術後の方でよく経験します。
このつらさを癒してくれたのが、院内のコンビニエンスストアで手に入れた「ガリガリ君アイス」でした。
いずれも喉がヒンヤリとスーッとするので、長時間効くわけではありませんが、気分がよくなります。
実際に、患者さんが、食欲がなくほとんど食べることができないときでも美味しく食べることができる。