累計20万部突破の“こどもシリーズ”最新刊『こども倫理学 善悪について自分で考えられるようになる本』が3月23日発売‼
が何かわかっていないからだ、と考えました。それがなんだかわかっていれば、勉強や仕事をするはずだと言うのです。しかし、「本当によいこと」とは何なのでしょうか。
「本当によい晩ご飯」だって、どんな晩ご飯だかよくわかりません。栄養たっぷりだけど味は微妙な晩ご飯と、栄養は偏っているけれど味は抜群の晩ご飯ではどちらがよい晩ご飯でしょうか。選択の例に戻ると、友達を傷つけてでも本当のことを言うのと、ウソを言ってでも友達をなぐさめるのと、どちらが本当によいことなのか、なども難しい問題です。
倫理学は、そうした「本当によいこと」とは何なのか、そんなものはあるのか、あるとすればその基準は何なのか、などを考える学問です。みなさんの身のまわりには「嘘をついてはいけない」など、たくさんのきまりがあると思います。
こうしたきまりは、長い歴史の中で誰かが「よいと思ったこと」を議論し、積み重ねてつくってきたもので、それらの多くにはきちんとした理由があります。それでも、それらのすべてが正しいとはかぎりませんし、きまり同士がぶつかってしまうときもあります。
それに、現代社会では、昔の人が思いつかなかったようなことがたくさん生じています。