日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』で新たな挑戦 業界の先駆けとなるか
このとき新井さんと訪れていたから今回の企画が生まれました。
――日本初の鉄筋コンクリート造りの集合住宅があった端島。建物などの印象はいかがでしたか?
野木今では本当にボロボロになっていますが、コンクリートの塊がしっかり残っていて、そのビジュアルのインパクトがすごかったです。ただ、ドラマとして当時の端島の風景を再現するには、日本中から似ている場所を探して合成する必要があるわけで……塚原さんが「そもそも似ているところがない!」と苦心しています。
塚原そうなんです。今まで多くの作品でロケ地を探してきましたが、今回は特に頭を悩ませています。広さでいえば、新宿駅ほどの面積にさまざまな施設が凝縮され、約5,000人もの人が集まって暮らしていた端島。そんな特殊な場所は現代には存在しないので、どこで撮影するにしても何かを付け足さないと成立しないんです。
――映像化のハードルがかなり高い作品ですね。
野木いつもどんなに難しいシーンを描いてもなんとかしてくれる心強いチームなのですが、今回ばかりは本当に難航しているようで。柱書き(台本上で、シーンの場所や時間を指定する箇所)1つひとつに「これは無理だな…」