【4/19公開】イタリアの新鋭が描く現代の寓話『幸福なラザロ』。無垢な青年の姿が問いかけるものとは?
今回ご紹介するのは、4月19日から公開の映画『幸福なラザロ』です。メガホンをとったのは、世界から注目を集める新鋭アリーチェ・ロルヴァケル監督。以前、ペルルでも取り上げた『夏をゆく人々』を撮った女性監督です。2011年から始まった、ミュウミュウ(MIU MIU)のショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」シリーズにも参加している彼女のことを、名前だけは聞いたことがあるというペルル読者もいるのではないでしょうか?
本作は、ロルヴァケル監督がイタリアで実際に起きた事件をヒントに、無垢で純朴な青年・ラザロを主人公に描く寓話的でミステリアスなドラマ。2018年のカンヌ国際映画祭脚本賞受賞作品でもあります。
【ストーリー】
小作人の所有が法律で禁じられた20世紀後半。イタリアの小さな村の農園に、タバコ栽培に従事する青年・ラザロと村人たちが暮らしていた。彼らは小作制度の廃止を隠蔽する農園主の侯爵夫人に騙され、社会と隔絶した生活を強いられていた。ところが侯爵夫人の息子が起こした誘拐騒ぎをきっかけに、村人たちは外の世界へ出て行くことに。