本作では、クマに襲われて瀕死の状態の中で最愛の息子の命を奪われ、野生の中で捨てられた主人公グラスが、息子への愛、復讐心から甦り、過酷な旅を経て、復讐を果たそうとするドラマが描かれる。
しかし、本作は単なる“復讐劇”ではない。グラスを演じたディカプリオは「単なる旅ではなく、彼は一生分の感情を経験する。アレハンドロは何よりも詩的な美しさを追求していた。人生に立ちはだかる不条理に打ち勝つ精神の美しさだ」と言い、撮影監督を務めたルベツキは劇中で彼が旅する厳しい自然は「キャラクターを知る大切な要素だ。外界の変化だけでなく、心の変化を表している」と分析する。
本作はサバイバル劇であるのと同時に、愛する妻を失い、息子を失い、自身の肉体も激しく損傷し、死の淵に立った男がそれでも生きようとする“精神”を描いており、ドラマも背景となる大自然も主人公グラスの“こころ”を描くために存在しているようだ。
『レヴェナント:蘇えりし者』
4月22日(金) TOHOシネマズ 日劇ほか 全国ロードショー
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