『エリザベート』皇帝フランツは、石川禅と岡田浩暉を悩ます難役!?
そんな岡田に石川は「浩暉君の戸惑い、わかります。僕、シェーンブルン宮殿でフランツ専用の便器を見た時に、“あ、この人も生きていたんだ”って思ったの(笑)。そこから彼が夢の世界の人間じゃなくなった」と自らが辿ったエピソードを披露。「フランツって、何もしなかったらしないで成立してしまうけど、それだと何も表現しないことになる。禅さんがおっしゃるようにそこに人間っぽさを加えていけば、僕のフランツが出来るのかな……」という岡田は、自らのフランツ像については「僕は禅さんほど器用ではないので、“動かない”方向になるかな」。これに対し経験者・石川は「多くの縛りがある皇帝という立場で、様々なものを背負ってフランツは立っているんです。そうするとどうしても動けなくなる。だから浩暉君はしっかりフランツを受け止めている。
そんな彼を見て、僕も自分が初めて演じた時のことを思い出して、こういう気持ちを忘れちゃいかんぞって思うんです」とこちらも気を引き締める。
『エリザベート』は日本でも、今回の上演中に公演回数1000回を迎えるほどの大ヒットとなっている作品。定番と言ってもいい存在だが、今年は作品に向かう気持ちが、例年とは少し異なるそうだ。