デヴィッド・ルヴォーの鮮烈な演出で、井上芳雄が見せる究極の愛
ひとつになった時、ものすごい力を発揮するはず」とかつてないほどハードな舞台への意欲を表した。実際、幾多の動き・転換を重ね、多層的な空間のうねりを作るルヴォー・マジックは、見事なスタッフ&キャストワークなくしては実現しない。
ワイルドホーンのメロディーが甘く流麗だからこそ、キャストは生の声と肉体で、役をリアルに“生き”なければならない。この点、空間に突き刺さる井上の絶唱、獣が対峙するような和音と坂元の迫真のデュエットなど印象深い場面は多かった。赤が鮮烈に映える美術と共に、情熱、生と死、愛と官能のドラマが鼓動し躍動していた。公演は7月29日(日)まで。
取材・文:高橋彩子
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