男同士の恋愛が義務!禁断の現場から 『露出狂』をレポート
内容もそうだし、かつて小学校の体育館だった場所を使っているせいもあるだろう。稽古場の空気は、一見、部活を思い出させる。サッカー部の部長役で出演する柄本時生が「居心地が良くて楽しい。下ネタが飛び交っています」と話すとおり、すっかり高校生に戻った14人が、野次を飛ばし合い、時にじゃれ合う様子は、放課後のにぎわいに似ていた。
といいながら、よく目を凝らすと、独特の関係性が見えてきて面白い。たとえば、同じシーンを何度も繰り返すとき。演出家の指示を待たずとも、皆、芝居に変化を与えようと自発的に演技や動きを変えているのがわかる。「周囲が動くなら、自分は動かないようにしたいし、皆がセリフに抑揚をつけるなら、自分は棒読みでいきたい」という柄本の発言が象徴的だ。
周囲と同類でありたいのが高校生なら、彼らは、互いの差異をはっきりと意識し、自分の個性がより際立つように努力を惜しまない。14人のいずれもが表現者であることを再認識させられた。
ほかに遠藤要、入野自由らが出演。公演は、7月26日(木)から8月4日(土)まで東京・PARCO劇場、8月27日(月)に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、8月29日(水)に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。
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