中盤で、今年の2月にリリースされたthepillowsのトリビュート盤に収録された『開かない扉の前で』を演奏するにあたり、上野は「17歳のときにこの曲と出会い、今、こんな機会を得て夢のよう」と気持ちを吐露。会場に駆けつけていたthepillows 山中さわおの前で丁寧に心を込めて歌い上げた。
終盤では「実は春が嫌いでした」と切り出した上野は、取り残されたような疎外感を感じていた春が嫌いで、でもここ2年くらいは悪くないと思えるようになったと語った。「今年1年、ふたりでできることに精一杯、挑戦していく」と決心し、8月には初めてのホール公演ワンマンに臨むことも発表。同期して多彩な音を重ねる楽曲も聴き応えがあったが、ギターとキーボードと歌と、ふたりが刻むビートと想いが込められたナンバーにこそ大きな成長と可能性を感じた。
アンコールでは『開かない扉の前で』のアンサーソングとして作ったと前置きして新曲『サバイバルナイフ』を披露。8月公演のチケット購入者には、この音源がプレゼントされる。ぜひとも今のふたりが紡ぐ独特の音世界を生で体感して欲しい。
(取材・文:浅野保志)
■『BEYOND THE LOCKED DOOR! 』-ツアーファイナル-カミナリグモ ワンマンライブ
日時:8月24日(日)