指揮官が2人交代する非常事態だったが、大熊裕司監督が就任後は3勝4敗と持ち直しつつある。夏場に加入した元ドイツ代表・カカウが直近5試合で3得点とチームにフィットしてきた。南野拓実もU-19日本代表から帰ってきて、攻撃のタクトを振るう。勝点2差のビハインドがあるが、第31節・甲府戦、第32節・仙台戦、第34節大宮戦とライバルを直接叩くチャンスも多い。
甲府は派手さはないが、堅守速攻を繰り返す愚直さがある。前節・浦和戦で途中加入のFW・キリノが負傷したのは痛いが、これからもしっかり人数をかけて守り、FW・クリスティアーノへ預けるカウンターから勝機を見出していくしかない。
昨季を除いて、毎年のようにJ1残留争いを強いられながらも降格を免れていた大宮は8月時点で残留圏の15位に勝点5差をつけられていた。「今年こそ、ダメか……」とサポーターすら観念した状況ながら、9月以降は5勝2敗と巻き返した。
確かにズラタン、ムルジャ、家長昭博ら攻撃陣は強力だが、53失点は多すぎる。打ち合いではなく、いかにロースコアに持ち込むかが重要となる。
失点が多いのは清水も一緒である。ワースト3位の50失点だ。『天皇杯』は4強入りするなどオリジナル10の清水は地力がある。