と岡村。中屋敷も、「自分なりのスパイスを加えたり、意味づけをしないと、そのまま見せるだけでは太刀打ちできないなと思っています」と岡村の挑戦に応える。
『いつも心に太陽を』も『ロマンス2015』も、描かれているのは、水泳の世界を舞台にしたホモ・セクシュアルな関係だ。岡村曰く、「同じ物語を違う視点で書いた」というわけである。だからこそ、「あとから書かれた『ロマンス』に付け加えられもの、削られたものの意味を考える楽しさがある」と中屋敷。さらに岡村はこうも付け加える。「もっと言えば、なぜスポーツなのか、なぜホモ・セクシュアルなのか、その世界に置き換えてつかさんが言いたかったことは何なのかっていうことを考えていくと面白い。何重にも言い換えて、重層的な世界に引き込み、観客の脳の中を爆発させるのが、演劇だと思うんです」。
中屋敷も演劇の面白さを「悩んだり考えたりしながら観たもののほうが残るということもありますよね」と話し、「とくに今回は、3つの作品でつかさんのいろんな系譜が観られるので、観る体力をつけてもらえると楽しめるんじゃないかなと思いますし。考えさせるものを作れるように頑張りたい」と締めくくった。