1989年から続いているこの海外コメディシリーズ。1996年以降、ほとんどの作品で演出を務めた高橋昌也が昨年亡くなった。「高橋さんは、とにかく最後のクライマックスから幕が閉まるまでの演出がとっても上手なの。だから全幅の信頼を置いていました。彼が亡くなってしまってこの先どうしようかと思うこともあります。ただこれまでにたくさんの作品をやってきて、お客様も『もう一度あれを観たい!』と言ってくださったりするので、そういう愛着のあるお芝居がもういくつもあるのは心強いですよね」。
黒柳といえば、ごくごくわずかの例外を除き、ここ数十年映像での芝居を封印してきた。「あるときから演技は舞台、テレビや映画には出ない、と決めてしまったの。
でもそうねえ、『タイタニック』に100歳くらいのおばあさんが出てくるじゃない? 私が100歳になったときにそういう役があったら、映像でもお芝居してみたいなとは思いますね」。これまで3度上演している『幸せの背くらべ』という作品にも、92歳の主人公が登場する。「大阪の記者の方が、『黒柳さんが92歳になったとき、この役ができますか?』っておっしゃったんです。1幕ほとんどひとりでしゃべるような、ものすごくセリフの多い役なんですよね。