チェスの世界チャンピオンである米国のフレディ(中川晃教)のセコンドでありながら、対戦相手のソ連のアナトリー(石井一孝)と恋に落ちるヒロインを安蘭が演じ、国家の思惑と3人の人生が交錯しながら、緊迫の物語が展開していく。「当時の国際情勢など、一見難しい内容だと思われるかもしれないですが、そこは、演出の荻田浩一さんが日本人にもわかりやすく作ってくださるはずですし。時代に翻弄されて生きなければならないからこそのしなやかな強さが、フローレンスにはあると思うので、観てくださる方にも、何かエネルギーみたいなものをお届けできるのではないかと思っています」。
フローレンスに扮する安蘭の心を揺さぶることになる石井一孝と中川晃教は、コンサート版でも共演したふたりだ。「かずさん(石井)と一緒に歌うときは、安心して合わせられるんですね。そしてアッキー(中川)は、一緒に歌っててワクワクしてくる。そんなおふたりの個性が、役にすごく合っているので。違う魅力を持つふたりに惹かれていくフローレンスも演じやすいと思います。
音楽で悲しみとか喜びを表現できるのがミュージカルの素敵なところ。その魅力を存分に感じていただける作品になると思います」。